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知的財産管理技能検定®3級

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知的財産管理技能検定®3級とは

あなたはおそらく「特許」という言葉を聞かれたことがあると思います。
また、今流行っている漫画などは「著作物」と言われています。

これら「特許」並びに「著作物」など、人が考えて生み出したものの中で、「財産的な価値を持つ情報」のことを「知的財産」と呼びます。

こういった知的財産を生み出した人に一定の権利保護を付与することを目的とした制度を「知的財産権」制度といいます。

著作権を侵害しないように

今話題のアニメ「鬼滅の刃」の無許可グッズ(いわゆるニセモノ)を中国から個人輸入して、それをフリマサイトやオークションサイトで販売してしまい著作権法違反で逮捕される方をニュースで見かけることが多くなってきました。
※アニメ「鬼滅の刃」の著作権は吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotableに帰属します。

中国から直接商品を安く購入することができるECサイトがありますが、この「鬼滅の刃」グッズをたくさん見かけます。しかし、これが本物であるか否かは販売ページ上では確認できません。
著作権者から許可を得ずに商品化されたものをうっかり購入し、フリマサイト等で販売してしまうとこれは立派な「著作権法違反」となります。

非常に身近な所に危険性があるにも関わらず、安易な気持ちから罪を犯してしまうことがあるかもしれません。

このように「知的財産権を知らないことによるリスク」が増大する状況の中で、様々な業務を行うビジネスパーソンにとって知的財産権に関する知識を持つことはもはや必須と言えるかもしれません。

この知的財産の管理レベルを測るための国家試験が「知的財産管理技能検定」なのです。

さて、あなたは「弁理士」という資格について耳にされてことは無いでしょうか。「弁理士」資格は知的財産に関する資格としてもっとも有名な資格です。

弁理士は『弁理士法』で知的財産権に関する独占業務が定められた国家資格になります。

代理人として、特許、実用新案、意匠、商標を特許庁へ申請することができるのは弁理士のみです。
これに対し、知的財産管理技能士は代理人として特許庁へ申請することはできません。

尚、弁理士試験はきわめて難易度が高く、試験内容としては、短答式試験や論文式試験、口述式試験など、多くの試験に合格する必要があり、合格率は10%を切るくらいです。

弁理士資格の合格にはこの極めて高い難易度から数年単位の勉強時間が必要といわれていますが、将来的な独立開業等も視野に入れるなら大いに目指す価値のある資格といえるでしょう。
しかしながら、企業などの組織内で必要な知識レベルを習得することが目的でしたら、知的財産管理技能検定®3級の資格で十分といえます。

知的財産管理技能検定®3級の難易度は?

元々民間試験であった知的財産検定試験が、2008年に国家試験に移行して始まったのが「知的財産管理技能検定」試験です
知的財産管理技能検定®3級は、知的財産管理に携わる「初級の技能者」向けの試験として位置づけられています。

知的財産管理技能検定®3級に合格するために必要な勉強時間はおおむね2~3ヵ月といわれていて、それほど勉強時間が必要なわけではありません。

しかも、試験によく出る分野には、決まった傾向があります。
このため、過去問を繰り返し解くことで合格率は格段に上昇します。

知的財産管理技能検定®3級の試験は、知的財産全般に関する専門知識が必要ですが、初級者向けとされるだけあって合格率が65%前後と高く、比較的難易度は低い試験となっています。

ちなみに2級が中級、1級が上級の技能者向け資格とされており、2級→1級と級が上がるごとに難易度は高くなります。
知的財産管理技能検定に合格すると、「知的財産管理技能士」という称号を得ることができます。

知的財産管理技能検定®3級の発展性は?

著作権

知的財産管理技能検定は、知的財産に関する専門知識を持っていることを証明する国家資格のため、特許事務所や企業の知的財産部門などといった知的財産関係の仕事に転職・就職したい時は、履歴書に記載すると有利に働くことが想像されます。

特に知的財産に関する高い専門性を求める求人では、『知的財産管理技能検定または弁理士の有資格者で、実務経験を有する者』というようにその募集対象を絞っている場合もあるくらいです。

また、近年では知的財産に関する基礎知識は、様々な業種や職種で求められる傾向にあるため、知的財産管理技能検定®3級を持っていると、知的財産に直接携わる仕事以外でも、転職・就職時に履歴書に書くことで、知的財産の仕事に知識や関心があることをわかりやすく示すことができ、一定の評価が得られると思われます。

実は、政府も、内閣府知的財産戦略本部が策定する「知的財産推進計画」において知的財産管理技能士の資格取得を奨励しています

知的財産管理技能検定®3級と一緒に取得するのにおすすめの資格

知的財産管理技能検定の取得を狙っているのであればぜひとも一緒に取得することをご検討いただきたい資格が2つあります。

まず一つ目は「ビジネス実務法務検定」です。

例えば、契約書を交わすときなどに、その内容に不備や不利益がないか発見し、正しい判断ができれば、トラブルを未然に防ぐことができます。

また、身につけた正しい法律知識により、業務上のリスクを回避し、会社へのダメージを未然に防ぐことができます。

このように実務をする上で、法律全般に関する知識を持っていることが、非常に有用となることがお分かりいただけると思います。

当サイトでもご紹介していますので、ご参考ください。

ビジネス実務法務検定3級
ビジネス実務法務検定3級では、ある程度「よく出るところ」というものが決まっていて、出題傾向を読みやすい試験であるといわれています。しかも問題はほぼパターン化されているため、合格率はおおむね70%~80%と他の資格に比べて合格率が高くなっています。
ビジネス実務法務検定2級
ビジネス実務法務2級では出題傾向が高い分野がある程度わかっています。それは、企業取引、企業活動、株式会社の運営等、会社法・商法・民法などの分野です。その中でも商法・民法分野については、配点も高いのが特徴です。この分野をしっかり学習しましょう。

そして二つ目は「日商ビジネス英語検定」です。
これは特許関連の案件が多い仕事である場合、海外の特許事務所や相手企業とのやり取りが多くなることが想像されるためです。

この資格の試験勉強を行うことで、ビジネス英語の表現力を身に着けることができれば、それはあなたの強力な武器になります。

知的財産管理技能検定®3級受験資格

等級 試験区分 選択作業 受験資格 受験申請方法
Web申込 郵送申込
3級 学科試験
実技試験
(共通)
管理業務 知的財産に関する業務に従事している者または従事しようとしている者(※1)
3級技能検定の一部合格者(学科または実技いずれか一方の試験のみの合格者)(※2)

※1 知的財産に関する業務に従事したいという意思さえあれば、どなたでも受検可。現時点で、知的財産に関する業務に従事されていない方や知的財産に関する業務に従事する具体的な予定がない方でも差し支えありません。
※2 当該合格したほうの試験の合格日の翌々年度までに行われる技能検定についてに限る。

知的財産管理技能検定®3級試験方法

各級とも学科試験と実技試験により行われます。
学科試験と実技試験の両方の試験に合格すると、技能士となることができます。

等級 試験種 試験形式 問題数 制限時間 試験問題冊子
3級 学科試験 筆記試験
(マークシート方式 3肢択一式)
30問 45分 持ち帰り可
実技試験 筆記試験
(記述方式)
30問 45分 持ち帰り可

知的財産管理技能検定®3級試験合格基準

技能士となるには、学科試験と実技試験の両方の試験に合格する必要があります。

等級 選択作業 試験種 合格基準
3級 管理業務 学科試験 満点の70%以上
実技試験 満点の70%以上

知的財産管理技能検定®3級試験範囲

学科試験 実技試験
  1. 保護(競争力のデザイン)
    1-1 ブランド保護
    1-2 技術保護
    1-3 コンテンツ保護
    1-4 デザイン保護
  2. 活用
    2-1 契約
    2-2 エンフォースメント
  3. 関係法規
  1. 保護(競争力のデザイン)
    1-1 ブランド保護
    1-2 技術保護
    1-3 コンテンツ保護
    1-4 デザイン保護
  2. 活用
    2-1 契約
    2-2 エンフォースメント

その他

知的財産管理技能検定®3級試験に関する詳細は公式ページにてご確認ください。

国家試験 知的財産管理技能検定®

※過去問等も掲載されていますので、どのような問題が出題されるか確認することができます。

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