出題範囲は広いですが比較的短時間で学習できます
消防設備士乙種の資格は消防用設備等の点検または整備を行うのに必要な資格です。
おおよその学習時間は60~70時間といわれていて、だれでも受験できます。
消防設備士の資格を取得するには都道府県知事が実施する、目的とする類、種別の消防設備士国家試験を受験し、合格しなければなりません。
消防法では、一定の防火対象物の関係者に対し、消防用設備等の設置、維持の義務づけされているため消防設備士の資格は大変人気があります。
特に、消防設備士乙種第4類は自動火災報知機の点検・整備が、乙種第6類は消火器の点検・整備ができるため、人気が高くなっています。
また、最近では消防設備(火災報知器)の点検のために男性が部屋に入ることに抵抗がある女性の一人暮らしの方が多いことから、女性の消防設備士に点検をお願いする場面が増えてきています。
現に、マンションの消防設備点検を女性チームが行うというサービスを開始している事業者もあります。
このことから、消防設備士乙種第4類を取得した女性の活躍の場が増えてくることが予想されます。
消防設備士には種別と類の区分があり、それぞれできる仕事に規定があります。下表をご参照ください。
甲種 | 乙種 | 消防用設備等の種類 | |
特類 | 〇 | 特殊消防用設備等 | |
第1類 | 〇 | 〇 | 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備 |
第2類 | 〇 | 〇 | 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 |
第3類 | 〇 | 〇 | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 |
第4類 | 〇 | 〇 | 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備 特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備 |
第5類 | 〇 | 〇 | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 |
第6類 | 〇 | 消火器 | |
第7類 | 〇 | 漏電火災警報器 |
まず、種別には乙種と甲種があり、乙種は点検・整備のみができる資格です。
甲種になると、点検・整備に加えて工事ができるようになります。
本格的に取り組む場合は甲種取得を目指しましょう。
しかしながら、甲種の受験資格として乙種に交付を受けたのち2年以上、工事整備対象設備等の整備(消防法17条の5の規定に基づく政令で定められたもの)の経験を求められます。
でも甲種を目指される方もご安心ください。
最短で資格を狙う方法があります。
第二種電気工事士の資格と一緒に勉強されることをおすすめ
それは、実は、電気工事士の資格があれば、上記の「2年間従事」をしなくても甲種の受験資格を得ることができます。ですので、第二種電気工事士の勉強も同時にされることをおすすめいたします。
私も第二種電気工事士の資格試験を受けましたが、日程的に先に行われた消防設備士乙種第4類も受験、無事合格できました。
第二種電気工事士の勉強内容が頭に入っていれば、消防設備の『電気』に関する試験は難しく感じないはずです。
第二種電気工事士の資格を取得出来たら(合格通知が来たら)消防設備士甲種にチャレンジする予定です。
消防設備士乙種第4類の難易度
消防設備士の乙種の合格率は受験する種類によって異なりますが、おおむね30%~40%で推移しています。
比較的幅広い知識が求められる試験となっていますが、出題される傾向はわかっていますので、学びやすいと思います。
特に消防設備士乙種第4類の「自動火災報知設備等についての問題」では、火災報知機の構造や種類を覚える必要がありますが、押さえておきたい所は大体決まっているように感じました。
その他の機器の名称等についても、暗記しなければならない項目は比較的多いかと思います。
しかしながら勉強とは無縁のまま数十年を過ごしてきた私でも合格できましたので、気負う必要は無いと思います。
法令については、ほとんどの教材で覚え方(ゴロあわせ)が解説されていますので、覚えやすいです。
消防設備士乙種第4類の発展性
条件は異なりますが、自動火災報知設備は定期的な点検を法令で定められていますので、それを行うことができる消防設備士乙種第4類は、消防法で守られているとも言えます。
先にも書かせていただきましたが、昨今では女性の一人暮らしのお部屋への消防設備点検業務は女性が行う場面が出てきていますので、女性が大いに活躍できる資格といえます。
さらに上を目指す方は、消防設備士乙種第4類の資格を土台として甲種を取得されると工事まで可能になります。
消防設備士乙種第4類の試験概要
受験資格 | 誰でも受験可 |
持参するもの | 写真を貼付した受験票、鉛筆(HBまたはB)、消しゴム ※試験会場では、電卓・テンプレート等の定規類及びポケットベル・携帯電話その他の機器の使用を禁止 |
試験種類 | 公的資格 |
実施団体 | 一般財団法人 消防試験研究センター |
試験日 | 各都道府県により異なる |
合格発表 | 支部別に合格者の受験番号を公示するとともに、受験者には郵便ハガキで合否の結果を直接通知 また合格者については、(一財)消防試験研究センターのホームページ上に掲示 |
申し込み方法 | 受験願書送付
※願書・受験案内の入手先 【東京都】 |
受験料 | 3,800円(非課税) ※郵便局の窓口から払い込み |
試験会場 | 全国各地 |
出題形式 | 【マーク・カードを使う筆記試験】 全種/四肢択一式【実技試験】 写真・イラスト・図面等による記述式 |
試験時間 | 1時間45分 |
合格基準 | 筆記試験においては各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とする。 ※試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方を合格とする |
合格率 | 平成29年度 32.4% |
受験者数 | 平成29年度 10,405名 |
お問合わせ先
(一財)消防試験研究センター 中央試験センター
〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷1-13-20
Tel. 03-3460-7798
http://www.shoubo-shiken.or.jp/
同センター各道府県支部、自治体の消防担当課、消防本部、消防署
※受験上の注意等、熟読されることをおすすめします。
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