出題傾向が高い分野がわかっています
ビジネス実務法務2級の試験範囲は3級よりも広くなります。
また、事例形式の問題が出題されるため、3級の合格率が70%~80%なのに対し、おおよそ40%前後と、難易度が上がることがわかります(悲)。
ビジネス実務法務2級は主に公式テキストの基礎知識から出題される上に、公式テキストのビジネス実務法務3級の基礎知識も出題範囲に含まれるというように、その試験範囲の広さが伺えます。
ビジネス実務法務2級の出題範囲(公式テキストの概要)
1.企業取引の法務
2.債権の管理と回収
3.企業財産の管理・活用と法務
4.企業活動に関する法規則
5.株式会社の組織と運営
6.企業と従業員の関係
7.紛争の解決方法
8.国際法務(渉外法務)
上記内容を理解していることを前提とし、応用力まで問われる問題が出題されます。
試験自体は記述式ではなく、マークシート方式ですが、3級よりもその内容は難しくなっています。
合格率はビジネス実務法務3級と同様に100点満点中70点(試験時間は2時間です)と70%以上の正解率を求められます。
このように難易度が非常に高そうに感じますが、出題傾向が高い分野を中心に学べば合格することは十分可能となります。
過去問を繰り返し解くと出題傾向が高い分野はおのずとわかってきます。
ビジネス実務法務3級と合わせて学ぶと効果的
ビジネス実務法務2級では法律の実務知識があり、外部の法律専門家に相談できるレベルを求められます。これは3級の合格ラインで必要となる知識を有していることが前提となりますので、併せて3級の出題傾向を学習されることをおすすめします。2級ではさらに事例を交えた応用問題が出題される傾向にありますので、過去問等で押さえておきましょう。
ビジネス実務法務2級の難易度は
2018年度の合格率は42.0%、2019年度の合格率は41.0%と3級と比較するとやはり難易度は高くなっています。
テキストを熟読して覚えたり、活字でインプットするのが苦手な方は、オンラインの講義動画で学習してイメージとして記憶する方法もおすすめです。
出題傾向が高い分野
ビジネス実務法務2級では出題傾向が高い分野がある程度わかっています。
それは、企業取引、企業活動、株式会社の運営等、会社法・商法・民法などの分野です。
その中でも商法・民法分野については、配点も高いのが特徴です。それだけ重要視されているということですので、これらの分野をしっかり学習して確実に得点できるように、過去問を解いて出題形式並びに「問題の問われ方」にも慣れておくようにしましょう。
過去問は少なくとも2回以上解かれることをおすすめします。そうすることで、ご自身が「問題の問われ方」に慣れてくることに気が付くはずです。
さて、過去問は公式問題集の中に過去3回分が収録されていますので、入手されることをおすすめします。
法改正等が行われることがありますので、必ず最新版を使うようにしてください。
もとになる法律が変わってしまうと、古い内容を学習していては、答えは間違いにしかなりません。
この公式問題集は試験を実施する東京商工会議所が発行していますので、過去問以外の問題もしっかり解くことで合格への近道となるのではないでしょうか。
オンライン学習法がおすすめ
しかし、これらをすべて独学で網羅していくのは時間がかかります。
そんな時は、オンライン学習法を選択されてはいかがでしょうか。
オンライン学習法の場合、講師がよく出る問題等に重点を置いて教えてくれますので、学習時間を短縮できると思います。
また、先にも述べましたが、動画でイメージとして脳に刻み込む勉強方法はビジネス実務法務2級の学習のみならずおすすめの方法です。
試験日までの時間を逆算して、ご自分に合ったスタイルで合格を目指しましょう。
ビジネス実務法務2級が仕事で役立つ場面とは?
会社の総務部に就職した場合
その時は「株主総会」に携わることがあるかもしれません。
しかし、株主総会に縁が無い方にとってはその内容は何をどうしているのか想像もつかないものとなっていると思います。
株主総会における株主の権利等については、会社法にて全て細かく定めてあるのですが、会社法(実務的な法律ですが)は条文も多く、身に着けるにはかなりの時間がかかってしまうことを覚悟しないといけません。
それに対して、ビジネス実務法務検定2級は、最低限必要な知識をコンパクトに学べますので、初めて学ぶ方にとって、現実的であり便利に感じると思います。
財務、総務部に就職した場合
この業務の中には「債権回収」という、ちょっと暗いイメージではありますが、会社にとってはとても重要な業務があります。
テレビドラマ等では、ちょっとアブナイ系のお兄様方がオラオラ言いながら人のものを強引に持っていくこともありますが、それは法律で禁止されています。
現実ではしっかりと裁判所を通じて督促を行い、回収を行えるように進めていきます。
この一連の流れは民事訴訟法という法律で定められていて、多くの場合外部の専門家と連携しながら進めていくことになります。
しかしながら、ベースとなる知識がないと何から手を付けてよいものかもわからない・・・ということになってしまいます。
ビジネス実務法務検定では、債権回収に関する項目があるので、先に書いたような事案が発生しても、どのように進めていけばよいのかイメージがつきやすいというメリットがあります。
法務部に配属された場合
法務部門が行う仕事としては、商品売買基本契約書や秘密保持契約書といった書類を取り交わすことがあります。
こういった書類の内容をチェックし、改善したほうが良い部分等を指摘したりするレビューという仕事が発生します。
このほかに商標や特許などの知的財産権に関するものや個人情報の取り扱いに関するレビュー等を行うなど仕事の範囲は多岐にわたります。
余談ですが、知的財産権に関する項目にかかわることもありますので、一緒に『知的財産管理技能検定3級』を取得されることをおすすめします。
お話を戻しますと、ビジネス実務法務検定2級は、外部専門家へ相談できるレベルを想定していますので、法務部門として専門性を高める際にも非常に有用と思います。
ビジネス実務法務検定2級の試験概要
受験資格 | 学歴・年齢・性別・国籍による制限は無く誰でも受験可能 ※2・3級の併願受験も可能 |
持参するもの | ・受験票 ・筆記用具(HB又はBの黒鉛筆・シャープペンシル、プラスチック消しゴムのみ) ・身分証明書(運転免許証、パスポート、写真付きの住民基本台帳カード、個人番号カード、学生証、社員証など、原則として、第三者機関発行で氏名、生年月日、顔写真が揃って確認できるもの。※ただし、電子媒体やコピーは不可) |
資格種類 | 公的資格 |
実施団体 | 東京商工会議所 |
試験日 | 年2回 6月下旬もしくは7月上旬と12月上旬 |
合格発表 | 公式サイトにて成績確認 試験約1ヵ月後に合格証発送 |
申込み方法 | インターネットまたは電話 |
受験料 | 6,600円(税込) |
試験会場 | 全国主要都市の商工会議所 |
出題形式 | マークシート方式による選択問題 |
試験時間 | 2時間 |
合格基準 | 100点満中70点以上で合格 |
合格率 | 第45回(2019年6月30日)54.3% 第46回(2019年12月6日)30.6% |
受験者数 | 第45回(2019年6月30日)5,469人 第46回(2019年12月6日)7,083人 |
試験内容 | 企業取引の法務 債権の管理と回収 企業財産の管理・活用と法務 企業活動に関する法規制 株式会社の組織と運営 企業と従業員の関係 紛争の解決方法 国際法務(渉外法務) |
問い合わせ先
東京商工会議所 検定センター
TEL:03-3989-0777(土日・祝日・年末年始を除く10:00~18:00)
http://www.kentei.org/houmu/
※受験上の注意等、熟読されることをおすすめします。
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