ITパスポートとは
最初に聞いたときは「なんじゃそれ?!」と思いましたが、ITに関する基礎的な知識が証明できる(なんと!)国家資格なのです。
ITパスポートは、ITに関する知識だけではなく、会社の経営戦略やプロジェクトのマネジメントなど、仕事を進めるうえで土台となる総合的な基礎知識も学べる資格です。通称『iパス』や『アイパス』とも呼ばれます。
実は、ITパスポートで出題される問題は、ITエンジニアなら知っていて当然の知識です。
情報処理技術者試験には、ITパスポートも含めて12種類あります。
この12種類の試験の他に平成29年度から『情報処理安全確保支援士試験』というものが追加されています(2021年1月時点)。
情報処理技術者試験の難易度はレベル1~4に分かれていて、レベル1が最も簡単でレベル4が最も難しいものとなっています。
そして、ITパスポートはこの中で、最も難易度が低いレベル1(初級レベル)の資格です。
受験条件として特別な資格や年齢制限もないため、誰でも受験できます。
さて、奮起してITパスポートの国家資格を見事取得したとします。
しかしながら、ITエンジニアを目指して就職または転職する際にITパスポートの資格を持っていると言っても、採用の際に評価されることはほとんどありません(悲)。
でも、実はITパスポートの資格は、IT無しでは成り立たない現代社会で働く社会人として知っていないといけない知識だったりします。
厳しく言うと必須項目的な資格と言えるかもしれません。
現に、国や地方自治体、民間企業など多くの団体がITパスポートの取得を推奨しているほどです。
それどころか、職種関係なく内定者全員に入社までにITパスポート合格を義務付ける会社もあるので、このコロナ禍のおうち時間を有効活用して取得してみてはいかがでしょうか。
ITパスポートの難易度は?
国家資格といってもITに関する基礎的な知識があるか否かを証明する国家資格なので、数ある情報処理技術者試験の中でも入門編として位置付けられていることもあり、合格率はおおむね50%前後となっているので、そこまで難易度が高い資格というわけではないようです。
しかしながら、何も勉強せずに合格できるほど甘くはありません(キッパリ!)。
ITパスポート試験は入門的な位置付けということもあり、試験範囲がかなり広い傾向にあるようですので、最初は基本的な内容をまんべんなく勉強する方が良いと思われます。
深い知識は要求しておらず、「ここはそこまで勉強しなくてもよく知っているよ!」という分野がある場合、分野別得点の最低ラインは30%ですので、とりわけ掘り下げて勉強しなくても問題はなさそうです。
また、時間のない方は『どうしても苦手で難しい(泣)』と感じる分野については、俗にいうところの『捨てる』という意味で深く勉強しないことも戦略として考えられます。
何度も言いますが、分野別でいえば30%取れればよいのです。さらに出題方式は記述式ではなく四肢択一式ですので、簡単に(乱暴に?)言えば、『わからない問題はすべて左から2番目を選択する(例)』という方法をとっても4分の1の25%の正解率はあるわけです。
ありがたいことにITパスポートで出題される問題は、おおむね6~7割が過去問の類似問題が出題されているので、過去問集を繰り返し解くのが合格への近道と思われますので、苦手分野は特に過去問に絞ってさらっと『覚える』と良いかもしれません。
あとは得意分野でしっかり得点して総合得点600点以上を目指しましょう。
ITパスポート試験合格に必要な勉強時間は100時間程度と言われています。
ただ、今までパソコンを仕事で使ってきた方でしたらおおむね30~50時間勉強すれば十分合格を狙えるようです。
時間が取れる方は比較的短時間で受験できるレベルになるでしょうし、じっくり取り組むのなら、1日1時間、週6日学ぶとすると、100時間必要とする場合、4ヵ月ほど必要ということになります。
ITパスポート資格の発展性は?
ITパスポートを取得するためには、AI並びにIoT等の新しい技術、手法の知識や経営全般、セキュリティ・ネットワーク、プロジェクトマネジメントなどの幅広~い分野での総合的な知識を求められます。
このコロナ禍の中で、在宅勤務やテレワーク等、急遽デジタル化を進めた企業も多いのではないでしょうか。
世界的に見ても、コロナ禍を脱出できる見通しは立っていない状況です。これからもまだまだ在宅ワークやテレワークをしないといけない状況は続くと思われます。
また、我が国の流れとしても『デジタル庁』の新設等、国としてもデジタル化を早急に進める動きがありますので、これから先、デジタル化は各方面で急速に進んで行くと予測されます。
「私はパソコン苦手なので・・・」とか「ワシはアナログ人間じゃ!」などと言っている場合ではなさそうです。
この様な社会の動きの中で『国家資格』として基礎知識を持っていると証明できる事はとても強い武器になるのではないかと考えられます。
ITパスポート試験日
ITパスポート試験は、全国47都道府県の試験場所で随時実施されています。
ITパスポート試験の試験日は会場により異なり、月に1回~毎週の土曜・日曜に実施されていて、最大3つの時間帯(午前・午後・夕方)から選択できます。
詳細は公式サイトの『試験開催状況一覧』のページでご確認ください。
試験場所の状況は会場ごとに3ヵ月先まで確認することが可能ですが、各試験場所・試験回に受験人数の定員が設けられていますので、開催状況を確認した上で、できるだけ早く受験申込みを行っておくことをおすすめします。
尚、受験申込みについても、パソコンやスマートフォンで公式サイトから行います。
ITパスポート試験申し込み方法
受験申込、受験申込内容の変更は、公式サイトからしか行えず、郵便、電話、FAX等による申込受付は不可です。
支払い方法は、クレジットカード、コンビニ支払、バウチャー※が選択できます。
申込日の翌日から4日後の試験を申込む場合、コンビニ支払は選択できませんので注意が必要です。
※バウチャーとは:バウチャーは、ITパスポート試験の受験手数料支払いに使用できる電子的な前売りチケットで、チケット番号がWebサイト上で発行されますが紙のチケットは発行されません。詳細はこちらから
ITパスポート資格受験方法
CBT方式(コンピュータを使ってテストする試験方式)です。
受験者はコンピュータに表示される試験問題に対して、マウスやキーボードで解答するので筆記用具は不要です。
ちなみに、自分で持ちこんだ筆記用具は使用できず、試験会場に設置されているものしか使用できません。
実はITパスポートの公式サイトからCBT疑似体験ソフトウェアをインストールすれば、無償で試験の練習ができてしまいます。
しかも平成24年から令和元年までの試験問題(いわゆる過去問)にチャレンジできます!
パソコンの操作が苦手な方やITパスポートの試験はどのような感じか見てみたい方など、疑似ソフトウェアで練習してみてはいかがでしょうか。
試験日、受験から合格発表までの流れ
試験日は試験開始時間の30分前から受付。
以下の3点をあらかじめ持参しておかなければなりません。
1)確認票(パソコンなどから申込みを行った際に印刷しておきます。確認票が事前に印刷できない場合、受験番号・利用者ID・確認コードの3つをメモしておき持参すること)
2)有効期限内の顔写真付き本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなどの原本)
3)試験室の机の上に置けるもの以外を収納するためのカバン
試験結果は受験終了後にすぐ表示されます。
また、試験終了後に公式サイトから試験結果レポートを1年間ダウンロード可。
合格発表の翌月に、合格証書が簡易書留で郵送されますが不合格となった場合は通知されません(悲)。
なお、合格証書は再交付不可ですので、無くさないようにしましょう。
ITパスポートの試験概要まとめ
受験資格 | 特になし |
資格種類 | 国家資格 |
実施団体 | 独立行政法人 情報処理推進機構 |
試験日 | 指定された試験日は特になく、任意の試験日、試験会場を選択して受験 |
合格発表日程 | 試験終了後すぐに採点、試験日当日に試験結果が判明 |
申込み方法 | インターネットでの申込み |
受験料 | 5,700円(税込) |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
問題数・出題形式 | 100問、四肢択一式 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 総合得点が1,000点中600点以上、かつ各分野別得点率がそれぞれ30%以上 |
合格率 | 50%程度 |
受験者数 | 92,018人(令和元年) 95,187人(平成30年) 84,235人(平成29年) |
試験内容 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
問合わせ先
ITパスポート試験 コールセンター
TEL:03-6204-2098(8:00~19:00 ※年末年始等の休業日を除く)
メール:call-center@cbt.jitec.ipa.go.jp
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
※受験上の注意等、熟読されることをおすすめします。
コメント